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伸びる人が行っている「仕事力」を鍛える方法
〜「これやっておいて」業務での訓練の仕方

4月になり桜の花びらと共に、新しいスーツを着た新入社員と就職活動を始めた大学生の姿が目に付くようになって来ました。やはり、初々しい姿は気持ちの良いもので、見ている自分もリフレッシュして初心を思い出します。

新入社員として入る時には、どの人も難関を通って入社しているはずなので、実力(言い換えれば技術的素養)はみな同じはずです。しかし、何年もたつとその実力には大きな差が出てしまいます。最初は優秀だったのに何年もすると目立たなくなってしまったり、またその逆もあります。これはどうしてでしょうか。


伸びる人が持つ資質


振り返って、実力が伸びた人を見て、その性格を見ると共通点があるように
思います。それは、



ではないでしょうか。

会社に限らずエンジニアの仕事は、新しいことへのチャレンジの連続です。企業であるからには、この新しいことを、いかに時間をかけずに効率的に開発するかが大切です。一人で開発するよりも、チームで分担して開発した方が効率的なのは一般的ですし、他の人の失敗や成功の経験を有効に活用することも大切です。はっきり言う人はいないでしょうが、「自分のやり方があるからほっといて」といった態度(しかし多かれ少なかれ技術者によく見られる姿勢)では、他の人が学んだ貴重な経験を活かせません。 それでは、この資質をどのようにして伸ばすか、よく会社で使われる「これやっておいて」と言われる仕事で考えてみましょう。


「これやっておいて」業務の本当の意味


「これやっておいて」、会社の先輩や上司からよく言われます。一見するとたいした仕事では無いようにも感じます。しかし、この仕事に大切な意味が含まれています。こういって任された仕事は、一般的にそれほど難しくない仕事のはずです。このような仕事をどのようにこなしていくかが皆さんの試金石になります。最初のうちは、できるとかできないとかはあまり重要ではありません。出来ない場合には、それを単に「できません」と言って助けを求めるだけでなく、何をどこまでしてだめだったのか、何がわからないのかなどその状況をどこまで伝えられるかが大切です。

こういった業務は、野球でいえばノックに相当するといえば良いでしょうか。つまり練習です。ただし、漠然と受けていては上達しません。上達するには、華麗にこなしている姿を想像して、実際の自分との差をはっきり認識すること、そして何が足りないのかを理解して、そのために何が出来なければならないかがわかることです。

ソフトウェア設計の仕事で言えば、「これ作っておいて」は単純にコーディングすればよいわけではありません。当然、動作確認や文書作成まで入るかもしれません。また、必要な機材などの調達もあるかもしれません。 皆さんは、「これやっておいて」に含まれているものがどこまで見えますか。


「これやっておいて」業務で鍛えるコミュニケーション力


この「これやっておいて」に含まれるこなすべき仕事を考えること。これが、第一ステップです。そして考えた範囲があっているかどうかを、確認することがその次のステップです。 この聞き方も大事です。

「 自分の考えをまとめる 」 → 「 それを確認する 」

この2ステップが大切です。わかりやすく自分の考えを伝えることができるでしょうか。このステップを何回も練習することで、技術者にとって大変大切なコミュニケーション技術を磨くことができます。このコミュニケーション技術が、別の言い方をすると仕事力になります。

「これやっておいて」は非常に漠然としています。この漠然とした要求から、言った人が期待している要求を掴まなければなりません。この要求を把握する力が培われるのです。
技術者であるからには、お客様の要求(市場の要求のこともありますし、クライアントの場合も、マーケティング部隊のこともあるでしょう)を具現化しなければなりません。しかしながら、一般的に言って、お客様が自分の要求をしっかり把握していることはめったにありません。漠然とした期待から、本当にほしい物を聞き出さないと、不満が溜まります。この真の要求を聞き出すコミュニケーション能力を一朝一夕に鍛えることは、たいへん難しいものです。日ごろの訓練が大切です。無駄にしてはいけません。


「できてから、報告しよう」が事態を悪化させる


また、「これやっておいて」には時間的な制約もあるはずです。いつまでにすべきなのかを確認せずに始めてしまう人も多いようです。ここで、注意してほしい点が一つあります。企業での開発は、途中経過が非常に大切だということです。できてもできなくても、途中経過を報告する習慣をつけましょう。特にうまく進捗していない場合が、より重要です。
新人のうちは悩んでいると、先輩から「なんだ、そんなことではまっているのか、早く聞いてよ」と言われることがあります。これが、まさに当てはまります。上手く行っていなければ、何が原因か考えて様々な手を打つことが出来ます。技術が足りないのか、アプローチが悪かったのか、機材が悪いのか様々です。しかし、手が打てます。
「出来てから」とか「わかってから」などのような気持ちが、問題をさらに悪化させます。
「崖っぷちの3歩手前であれば、360度の選択肢がある」この言葉をいつも頭に入れておくと良いと思います。

途中で提出する成果についても事前に確認しておきましょう。普通、出来上がったものを最後にいきなり出すことはしません。途中で何回かにわけて提出します。この時に、何が出来ていれば提出してよいのかを、途中成果物のそれぞれについて確認しておくことが大切です。途中で出す物は、同じものでもその時期によってそれぞれその使われ方、役割・意味合いが違っているのが普通です。最初は単純にリンクできれば良く、ソフトウェアの機能は気にしないが、2回目はある機能について確認したい、3回目は性能を確認したいので細かいバグは気にしないなどのようにです。


技術力は練習しなければ身に付かない


最後に、その決められた時間内にできるかどうかは、皆さんの技術力の問題です。コーディング能力、デバッグ能力です。学生のころは、コーディング能力だけに目が行きますが、企業ではデバッグ能力がより重要になります。いかに短時間に問題点を追い詰められるか、技術者としての腕の見せ所です。自分に足りないと思う人は、周りを見回して、できると思う人のテクニックを盗みましょう。遠慮なく聞くことです。そして、こつこつ練習することです。仕事も練習が必要です。練習しないで上手になるほど甘くはありません。

「これやっておいて」こんな仕事でも、意識してこなしていく人と漫然とこなす人では、数年後に皆さんの実力に大きな差がついてしまっているかもしれません。


以上



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